長尺BMSイベント -閉幕- [ #FLTBMSP ]
暫定の全曲ダイジェスト
登録 : 2019年12月01日(土)~2020年02月01日(土)
評価 : 2019年12月01日(土)~2020年02月29日(土)
主催 : Phleguratone
約3ヵ月にも及ぶ長丁場イベント、For Long time BMS players -長尺BMSイベント-が先日閉幕しました。
イベント終了からおよそ2週間が経ったため、当ブログでもイベント振り返り記事を書かせて頂きます。
---------------------------------------------------------
◆ 結果発表
作品数は25作品と、手ごろな数を感じさせますが・・・合計曲長は179分。
約3時間となっており、通常の楽曲が2分だとすると90曲相当になります。
もはや大規模イベントと変わりないですね・・・
さて、肝心の総合結果は以下の通りです。
(点の表記は簡略化し、アベレージは無→1pts、温→0ptsで計算)
・スコア部門
・アベレージ満点作品
全順位はこちら
ということで、スコア・アベレージの両部門を制したのは
hugepulseさんの“アトムの砂を掬って”でした。
当イベントに一番最初に登録されたこの作品は、「長さを感じさせない、飽きさせない」といった難しいテーマを華麗にこなし、プレイヤーからの高い支持率を集めました。
一時期はみーにさんの“ロスト・マイ・メモリーズ”に1位の座を明け渡しておりましたが(途中経過発表の記事参照)、最終週付近で怒涛の追い上げを達成。
おめでとうございます!
そして、惜しくもスコア2位となってしまったみーにさんの“ロスト・マイ・メモリーズ”ですが、当イベント唯一のボーカル曲ということで、確かな存在感を放っておりました。さらにニコニコのマイリスト数が90前後と脅威の結果を持ち、イベント外では最も高い評価を得ております。
続く3位は、知る人ぞ知る音MADの教科書2号兄貴の名曲『柴又』のBMSバージョンです。
BMS化を行ったのは差分作成に造詣の深いratさんということもあり、譜面も隙が無く高評価を得ました。
4位以下は池田哲次さんの“!-- TUTORIAL --i”(曲の長さ判定で柴又に負け、惜しくも4位)、しらいしさんの“Painful Act”と続きます。
今回、アベレージ満点は25作品中6作品となりました。
比較的多いような印象ですが、これは投票方法が0か1の2択だったことも関係しているかと思います。
順位のばらつきは大きいですが、減点無しという結果は非常に強いと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
・スコア推移
前半は作品が出揃っていないこともあり、インプレも集まらず膠着状態が約1か月ほど続いておりました。そんな中で、同率1位が横並びとなりつつも最終的にはhugepulseさんの“アトムの砂を掬って”が大きく引き離しました。
・順位変動
週ごとのTOP5はこのように変動しました。
1位の“アトムの砂を掬って”はずっとTOP5をキープしております。一方で、途中でフェードアウトしていった曲も多数。やはり上位5位は狭き門ですね。
また、開始日から中一日ごとに全曲の順位の変動をまとめたのがこちら。
点数の振れ幅が小さいので同一順位が目立ちます。
※「26位」は作品がまだ登録されていないことを示しています。
(本来は同一順位の場合は曲が長い方が上位となりますが・・・すみません、その集計を表にするのが難しかったので諦めましたorz 同様にグラフも諦め...)
この表から、いくつか大きな順位の変動が確認できます。
例えば、一時は最下位(25位)であったCirCyさんの“Silent System”が驚異のごぼう抜きを達成し、最終順位は9位となりました。
一方で、30日近く1位の座を守っていたHitkeyさんの“Brilliant Techno Square”は最終的に18位へ転落し、悔しさの残る結果となりました。
あとは全体的に大きく変動しており、最終日まで順位が確定していない印象でした。
------
◆ イベントあれこれ
〇 全体のインプレ数
集まったインプレ数は182、1作品ごとの平均インプレ数は7.28であり、ここ最近の中小イベントの中では特に少ない結果となりました。
点数が付く最近の中小イベントと比較しても、平均インプレ数が10を切ることはそうそうありません。さらに、点数がつかない東方音弾遊戯9の平均インプレ数9.64以下となってしまったこともあり、イベント関係者にとっては苦い結果となったかもしれません。
理由として考えられるのは
1、インプレ非表示の影響
2、長尺楽曲はプレイヤーの負担が大きい
3、長すぎるインプレ期間
この辺りではないでしょうか。
1に関しては9年前にmihoclapさんがインプレ非表示の考察をしていらっしゃるので、よかったらこちらをご確認ください。
インプレ非表示のデメリット部分だけmihoclapから引用させて頂くと、
このような問題点があります。
今回のイベントでは特に「点数が見えないせいで、期間中のイベントに関する話題が皆無」の影響が強かったように思えます。
ただでさえBOFOONXV、Be-Music West IIと開催期間が被って埋もれがちだったので、今回はインプレ非表示のメリットよりもデメリットの方が目立ってしまった気がします。
2の長尺BMSの負担はむしろ本イベントの個性でもあるので目を瞑って、
個人的に3の長すぎるインプレ期間(12月~3月初週)が一番の問題だったかと思います。
「長いことはいいことだ!」がコンセプトのイベントなので、この点が譲れなかったのはもちろんわかります。
しかし、結果として2か月近いインプレの中だるみが発生してしまったのは看過できません。
※グラフを再掲。最初の約2か月はインプレ数1の作品が1位となってしまっています。
登録期間が終了してからは少しずつ盛り返してきているため良かったものの、この「登録期間2ヶ月」「評価期間3ヶ月」は本当に適切な設定だったか?ここまで長くするメリットは本当にあったか?
...など、少々引っかかる点がございました。
結果として、「たとえ評価期間が長くなってもインプレは増えない」ということが裏付けされるイベントとなってしまったなと感じました。
あと公式タグ「#FLTBMSP」の覚えにくさよ!
〇 隠れロング
はい、ここまでイベントの気になった点を何度も指摘する記事になってしまい大変申し訳ありませんでした。
もちろん問題点ばかりでなく、イベントの面白い点もありました。
その面白さを紹介するために、突然ですが東京ディズニーランドの「隠れミッキー」を真似して、この長尺イベントランドの中に隠された「隠れロング」に迫っていきたいと思います。
例えば、今回クラシックのコピーBMSを登録していたmotsさん。
彼はなんと、2000年~2002年頃にBMSを作成していた圧倒的古参であり、ブランクがありつつも抜きんでた長い経歴(20年)をお持ちの方でした。
今現在もBMSを制作されている方の中で、motsさんよりも歴の長い方はまずいないでしょう。
そんな超人が2つもBMSを登録するという、なんとも贅沢なイベントとなりました。
さらに、B.T.S. テクノ限定BMSイベントのメドレーBMS(!?)を登録したhitkeyさんにも注目です。
普段は譜面職人として名を連ねたり、BMSイベントのカレンダーBMS EVENT LITEの運営など裏方活動が多いですが、今回はなんと作品を掲げての登場となりました。しかもhitkeyさんは本人のHPによると2000年から譜面いじりをされていたようです。またまた長い経歴をお持ちの方となります。
2000年初期から活動を始める超人が2人も集うなんて、このイベントに何かしらのシンパシーを感じたのかもしれませんね(笑
そして最後にロングインプレ。
を何度か行っていたportionさんに注目します。
まさかインプレで長尺というテーマを達成するとは思いもよりませんでした。
スマホで見ると、より長さが強調されて感動体験ができます。
作者側としても熱意のこもった感想は嬉しいですし、これを実行しようと思ったのは非常に素晴らしいなと思いました。
〇 インプレ状況
次にインプレ状況について振り返ります。
本イベントのインプレ状況は以下の通りです。
今回全曲インプレを達成したのは3名。(敬称略)
お疲れ様でした!!(^-^)//""ぱちぱち
(変な偽名を使ってしまい申し訳ありませんが、bomは私です...)
惜しくも全曲インプレを逃してしまったのはNASAさん(あと3曲)、Sterriteさん(あと7曲)。
今回、曲数は25曲と抑え目ながらも1曲1曲の重みが凄まじいので、駆け込みの全曲プレイではインプレ時間オーバーするケースが見られました。
プレイヤーの皆さん、予期せぬ曲長には気を付けましょうね(笑
表からもわかりますが、前項でも書いた通りインプレの平均数はかなり少ないです。
そして1作品・2作品のみのインプレとなった方の割合が非常に高いです。
これは長尺になったことにより、そもそも好きな曲しか完走できなかったという方が多いのではないかと感じました。
ただでさえ好みでない曲は2分尺でも辛いので、好みでない曲を5分・6分とやるのは至難の業。
長尺BMSに求められる要素とは― 考えされられるイベントとなりました。
そして今回も、全曲インプレした3名のみでランキングを作成しました。
すると同率1位が9作品も出てしまったため、イベントのルールにならって曲の長い方を上位としました。結果は以下の通りです。
なんと、1位、3位にNakaiankowさんが急浮上!裏の王者はNakaiankowさんとなりました。おめでとうございます!
ちなみに1位の"Irreal Me, Counterfeit."は見ての通り曲の長さが17分もありますが、展開が非常に豊かである上に譜面まで展開豊かであったため、軒並み高評価を獲得しております。やはり、遊んでいて楽しい長尺譜面は強いです。
そして2位はmotsさんによる"TCHAIKOVSKY : 1812 OVERTURE, Op.49"でした。
こちらは何とクラシックのフルオーケストラ編成となっています。
音量は抑え目となっておりますので、スピーカーの音量をMAXにして楽しむと良いでしょう。嘘です。後半に耳が破壊されます。
そして本来は1位、2位だったhugepulseさん、みーにさんですが、曲の短さが仇となって(いや、4分も長いけど...)全インプレランキング内では6位、7位と苦戦しました。
----------
◆「長尺BMSイベント」はなぜ今まで開催されなかったのか?
表題の通りです。なぜか?
それは、イベントとして成立させるのが難しいからではないでしょうか。
長尺のBMSには数々の名作がありますが、だからと言って普通の2分BMSを作るノリで長尺BMSを制作してしまうと、途端に退屈な駄作となってしまいます。
制作者側に要求される作曲難易度の高さも、プレイヤーにとっての敷居の高さもあるという、イベント主催側の立場に立つとゾッとするような主催の敷居の高さがあります。
↑ 7年も前から長尺BMSイベントの難易度は言及されています(こちら参照)
そんな中で、一部でも需要があるからと主催をするに至ったPhleguratoneさんの決断力・行動力には目を見張るものがあります。
前述の通り誰にとっても難易度の高いイベントであるため、実際に平均インプレ数には苦戦こそしましたが、長い目で見れば長尺BMSは確実に需要があります。
そして、長い年月が経った際に、「長尺BMS良いな!」、「昔はこんなイベントをやってたのか、いいなぁ」と評価される晩年型のイベントになるのではないか、と私は考えます。
このイベントの良さは、長いようで短い3ヵ月の評価期間内ではまだまだ理解しきれないかもしれません。
そして、長い年月が経ったのちにこのイベントの評価はどうなっているか?
・・・・・・・
いずれにせよ、普段のBMSイベントでは遊ぶことすらできない長尺BMSをまとめて20個近く手に入れることができるため、非常に価値の高いイベントと言えるでしょう。
◆ 最後に
長々と失礼しました。
最後に、このイベントのTOP5の作者陣に触れて本記事を締めたいと思います。
なんと今回のTOP5は全員が最近活動的な作者陣です。
そして歴の長いしらいしさんを除き、全員が比較的デビューが最近の作家となっています。
BMSは1998年から続く長~いゲームなので、こうやって次世代の実力者が結果を残しているのを見ると非常に嬉しくなりますね。
そして今回1位を獲得したhugepulseさんは今回が初タイトル。
昨年のBOFXVでは49位を獲得し、そのまま今回の優勝という結果だったので勢いは止まりません。
長いBMSイベントで勝利した所縁もございますので、今後の長いご活躍をお祈り申し上げます。
※hugepulseさん、みーにさん、Nakaiankowさんは現在開催中のPABAT!2020にも参加中です。気になる方はぜひ確認してみましょう。
最後に主催のフレグラトーンさん、参加者及びプレイヤーの皆様大変お疲れ様でした。