BMS Agency

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最近(2020年)のBMS界を気ままに追っかけます

2020年度 BMSパッケージ企画「ゆるゆる」全曲紹介 (Phase8-10) [ #ゆるゆるBMS ]

硬い規約とか音ゲーらしさとかBMSの風潮とか関係無しに
 
ゆるい気持ちでBMS作って公開するという
 
平和主義なBMSパッケージ企画です。
 
 

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◆ はじめに

BMSパッケージ企画「ゆるゆる」とは、ゆるくBMSを作って登録するインプレ・順位付けの無いBMSパッケージ企画であり、今年で2年目となりました。
昨年はいっぱい作るシリーズのような自由参加型のパッケージでしたが、今年は主催の空読無 白眼さんが作家陣を招待する形式の招待型イベントとなりました。
 
今回集まった作品数は18作品。メンバーも久々のBMS制作となる実力者が多く、コレクターとしてはぜひ押さえるべき隠れ優良イベントなっております。
 
全登録作品一覧は以下の通り。
 

↓全曲ダイジェスト

 

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今回は、そんな2020年度版ゆるゆるBMSパッケージを全曲紹介します。

(公開時期が無名戦17・A-1 10thMutual Faith 3と同時期だったこともあり、評価期間開始が近いイベントの紹介を優先していた結果、紹介するタイミングを逃しておりました・・・ご容赦ください)

 

作品ごとの主催コメントTwitterにて投稿されていましたので、主催コメントと併せて私のコメントも載せながら1作品ずつ紹介していきます。

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◆ Phase 8

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1. My dearest, Sweet room - みーに feat. 初音ミク

主催コメント:

現在のボカロ系BMS作家として最前線を往くみーにさんによる、ダウンテンポよりのFuture Bass。この企画の雰囲気を体現してていいですね。たしか締め切りの2・3ヵ月前に提出してくれた記憶。絶句

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初音ミクBMSに定評のあるみーにさんの作品です。ゆったりめのポップスですが、音の力強さや譜面の安定感は健在です。ゆったりめの楽曲ですが、歌詞のどこか芯があってブレない姿勢に惚れ惚れします。部屋がテーマの歌詞に合わせて、BGAも部屋から窓の外を見る構図なのが素敵な演出です。

 

 

2. unclusterize - Extrose

主催コメント:

私がお世話になっているStoic SoundsやThe Noviceの主催であるExtroseさんによる、音ゲナイズムンベでございます。☆8の5鍵譜面は最後の方エグい軸縦連が降ってくるので、そういうのが得意な方は挑戦してみましょう。

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Extroseさんは初代A-1に出るほどの作家歴の長い方です。2017年を機にしばらくBMS制作から離れておりましたが、今回のゆるゆるが久々のBMSとなります。

音色の一つ一つが往年のゲームミュージックのような感触であり、繰り返されるシンセフレーズが非常に浸れる楽曲となっております。爽やかな曲ですが、譜面は5鍵のみのガチガチ古参仕様です。

 

 

3. morning 06 - kazunocobit

主催コメント:

レイハラカミやI am Robot And Proudを彷彿させるやさしいエレクトロニカです。早朝の出勤・登校前の準備時間に聴きたい。06とあるとおり、morningシリーズは他にもあります。そちらも氏の音雲から聴こう。

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この手のシンプルな電子音楽を書かせたら最強のkazunocobitさん、こちらも2017年ぶりのBMS作品となります。ゆるい(というより、しっとりした)テクノ・エレクトロニカのセンスが随一であり、新曲を聴けるのがとても嬉しい作家の1人です。音色のディレイが非常に気持ちが良い・・・。

余談ですが、私は今も作業用BGMとしてkazunocobitさんの楽曲をよく聴いているため、こちらも合わせておすすめしておきます。

www.youtube.com

 

 

4. into the atomic vision - ume

主催コメント:

DTM、ボーカル、絵、動画制作となんでもできることでおなじみumeさんによるエレクトロトランスです。りどみによると、この作風のトランスを久しぶりに作りたかったとのこと。呼んだ甲斐がありました。

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歌モノポップに定評のあるumeさんですが、今回は打って変わってエレクトロトランスです。Energeticな前半・Tranceな後半と2つの雰囲気をそれぞれ楽しむことができます。 もしかしたらumeさんのこのトランスな作風はG2R2014"Alpha Lyrae"の6年ぶり?

 

5. 白壁の緑の扉 - ルナ・ヴィオーラ

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主催コメント:

近代クラシック・ポストロックを主軸に楽曲を制作する氏ですが、近年Bass系IDMの要素も取り入れ始めているので、その作風にますます磨きがかかっています。譜面は☆1のみとゆるゆる楽しめる仕様です。

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かつてBOF2005に参加するような古参である一方、2018年のvfpqにて突如復活を果たして現役活動中のルナ・ヴィオーラさん。今作は中々言語化が難しい楽曲となっております。タイトルや譜面難易度とは裏腹にかなり厳めしい雰囲気であり、まるで白壁の緑の"開けてはいけない"に手をかけてしまったかのような緊張感があります。ジャンル名のMoanmuzikは造語ですが、moanにはうめき声という意味があるようです・・・。

 

 

6. Animal Crossing Main Theme - Nintendo remixed by zatsuzatsu

主催コメント:

Animal Crossing Main Theme - Nintendo remixed by zatsuzatsu
絶賛大流行中のどうぶつの森に、こちらも流行中のLo-Fi Hiphopを掛け合わせたトレンディーなBMSです。☆12はズレッズレ配置のベリハ譜面です。ベリハが得意な弁護士は全員挑戦しよう

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2020年上半期に大流行したどうぶつの森(Switch)ですが、本作は懐かしの初代どうぶつの森(NINTENDO64~GC)のMain Themeをリミックスした楽曲となっております。世代の方にはグサリと刺さる選曲ではないでしょうか(かく言う私もこの世代です)。Lo-Fiでさらにゆったりとした楽曲であるにも関わらず、譜面は叩き心地抜群の作品となっております。その辺りは流石の譜面職人zatsuzatsuさん。後半の「リミックス特有のオリジナルフレーズ」が非常においしいです。こちらも作業用BGMにしたい・・・。

 

 

◆ Phase 9

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7. GRATEFUL GRAPE!! - E0ri4  / obj : selene.

主催コメント:

「マキナBMSがクッソ少ない」という危機感に乗じて作られたとか作られていないとか。でも今年のA-1にもマキナいましたね。めでたしめでたし。腕に自信ニキはselene.さんによる皿マシマシ譜面に挑戦しよう。

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MAKINAと言えば、BMSシーンにおいて2017年以来一度も作られていないレアジャンルですが、ゆるゆるパッケージではその貴重なマキナBMSを遊ぶことができます。ハッピーハードコアに定評のあるE0ri4さんの作品であるため、非常にマキナマキナしており叩きが熱い。小気味よい縦ノリフレーズは音ゲーとの相性は抜群であり、本パッケージ内で最も王道的かつ万人におすすめできる作品となっております。

 

 

8. Hold Me Tight - Kyuzo Sameura 

主催コメント:

毎年優勝する男こと早明浦キュウゾウさんです。ゆるゆるでも優勝しそう。
多くの2 STEPをリリースしていますが、今までにないオールドスクールという作風に焦点に当てた今作はある意味新鮮です。

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オシャレBMS部門で前線を闊歩し続ける、Kyuzo Samera(早明浦キュウゾウ)さんの作品です。今作も例に漏れず、サンプリングボーカルの掛け合いが非常にオシャレなUK Garageとなっております。2step自体やや古めのジャンルですが、Kyuzo Sameraさんが作ると非常に今ドキで若者風な雰囲気に変貌するのが面白いです。

 

 

9. さよならトラックメーカー - copyyyy

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主催コメント:

みんな大好き菊田研究所の主任です。今年の参加者の中で界隈に一番衝撃が走ったんじゃないんですかねTL見た感じ。今回はBMSの提供の他にも、企画用のBGA素材を制作してくださったりと非常にありがたい…!

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00年代前半から活動する古参の一角、copyyyyさんが2017年ぶりに新作BMSを制作しました。ゆったりめでどこか明るい希望の光る楽曲となっております。低難易度譜面のみかつ、やわらかい音使いで心にすっと染みるその音色は、疲れているときに聴くと全身に染みわたります。さすがのmigikachaマジック。

 

 

10. 1Minute Mail - ぜらにも 

主催コメント:

わずか1分で楽しめるBMSイベントよろしく、その尺1分ほどのお手軽に楽しめるBMSです。
ゆるゆるパッケは数分空いてれば気軽に楽しめるというのを売りにしている(後付け)ので、この作品はまさにそれを体現しているBMS

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2018年ぶりの新作BMSを引っ提げたぜらにもさんですが、今回はなんと「楽曲が1分」「ポップス」という珍しさの2本柱でBMS制作に挑戦しました。まるでニュースの冒頭に流れるかのような爽快感溢れる楽曲となっており、わずか1分で非常に満足度の高い作品となっております。

今作が気に入った方は、ぜらにもさんの過去作Wavethrough(BOFU2017)辺りもチェックしておくと良いかもしれません。

 

 

11. NOT BMS - Blue-J 

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主催コメント:

BMSとして遊べてるんだからNOTではないだろという話にはなるかと思いますが、これは本人の哲学の領域に入る話だと思うんでツッコまないでおこう。[NOT BMS]はベリハなうえにかなりストイックな配置が降ってくることに注意!

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これは、BMSではないらしい・・・?硬派なテクノに定評のあるBlue-Jさんの作品です。今回も例に漏れず無機質でミニマルな展開を見せる男気を披露しております。Blue-Jさんも毎度作風が徹底していて惚れ惚れしますね。

本パッケージで唯一の14KEY同梱作品であるため、DPプレイヤーはチェック必須です。

 

 

12. My Everything Is Not Ended Yet - LU

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主催コメント:

今年の無名戦はBass Musicが多かったとのことですが、ゆるゆるにもあるぞ~。
締め切り一ヶ月前ぐらいに氏のHDDが逝く様子を見てすげぇハラハラしてましたが、さすがLUさん、凄まじい速さでBMSを構築しました

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日本ドラムンベース協会で有名なLUさんによる、ドラムンベースBMSです。

ベースミュージックが流行る前から貫いてきたベース魂は、もはや職人の域へと達しております。キー音の迫力殺人的な低音が非常に強く、令和になっても圧倒的存在感を放つLUさんでした。譜面も5KEY / 10KEYのみというBeatmaniaっぷり(not IIDX)が垣間見えます。

 

 

◆ Phase 10

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13. MINIMayonnaise - DJ TAKUAN

主催コメント:

マヨネーズのすばらしさをミニマルテクノで体現した作品です。なんでこの組み合わせなんだ…?BGAの大胆なサンプリング手法がいいですね。私もこのスタイル真似していきたい。☆12はすさまじい階段が降ってきます。

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マヨネーズ×ミニマルテクノMINIMayonnaiseらしい・・・なんと、曲中の声ネタも「マヨネーズ」です。

本作はマヨネーズの作り方から使用方法、実食まで丁寧に示してくれる料理BMS(?)となっております。作者は2017年に復活を果たしたDJ TAKUANさん。近年は一風変わったBGAを作ることに定評があり、今作も例に漏れずすごいことになっています・・・

 

 

 

14. Afterschool LittleRocker - Kanata.S / BGI : きりりん氏

主催コメント:

去年の習作的作品とは打って変わり、今回は氏の得意なロックでございます。
BGIはきりりん氏さんです。なんでTシャツにおめめいぬプリントしたんや

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ロックBMSに定評のあるKanata.Sさんの作品です。ギターBMS特有のギターが乱れるパートがあり、音ゲー映えする1作となっております。BGAは可愛いギター系女子ですが、楽曲はやや硬派で男前なロックというギャップ。

 

 

15. choco mint dream - 9A/ 闇音レンリ(SynthV)

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主催コメント:

PABAT2020の影響か、今年はチョコミントをテーマにしたBMSが多く作られていますね。今作もその一つ。
ボーカルはおそらくBMSではお初、UTAUの一つ、闇音レンリでございます。

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2017年ぶりの新作BMSとなる9Aさんの作品です。ウィスパーボイスが主となっているため、ゆったりとしたボーカルポップに仕上がっております。しっとりしているパートと盛り上がるパートが明確であり、聴いていて面白いです。また、サビが非常にキャッチーなのが印象的でした。全体として綺麗にまとまっている作品だと思います。

 

 

16. 02(BMS Edit) - 空読無 白眼

主催コメント:

とくにないっす

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作者はゆるゆるBMSの主催を務める空読無 白眼さん。

アングラで不気味なBMSに定評ありですが、今回も例に漏れず奇々怪々な作品となっております。序盤は逆再生音LNで引き込み、徐々にプレイヤーの神経を侵食していくそのエレクトロニカは、まさにダークの一言。ホラー寄りの楽曲ですが、終盤に入ってくるストリングスは美しく、儚いです。

 

 

17. nahtu - 130

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主催コメント:

イベント外ということで無茶苦茶なExtratoneがくるんじゃないかと身構えていましたが、本格的なjukeがきました。今年のBOFでもチーム駿足のメンバーとしてjukeを作られるそうなので、要必見です。

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2014年の戦國〜甲午の乱〜以来の新作BMSを引っ提げてきた130さん。ジャンルのFOOTWORKの通り、かなりリズムが難解です・・・。タイトルも何と読むのか分かりません。

鳴る音が予想外なものが多く、プレイ中に何度も意表を突かれました。かなりアングラな雰囲気を放っております。

 

 

18. Primula - さんまのこぼね

主催コメント:

今年のラストを飾るのは、名義のイメージとは裏腹にキュートな作風でおなじみのさんまのこぼねさん。
今作もかわいらしいものになりましたが、☆11はすさまじいトリルが降ってくるので油断するでないぞ。

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若手ながらBattle in the Mist 2ndMIX(匿名戦)優勝の実績を持つ、屈指のメロディメイカーであるさんまのこぼねさんの作品です。今作も例に漏れず、メロディの良さを堪能することができます。

譜面は全体的に楽しいですが、ANOTHERだけ何故か尖ってて落ちました。

 

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◆ おわりに

以上で楽曲の紹介を終わります。

全体の感想としては、やはり主催の空読無 白眼さんの嗜好からか古参BMS作家の参加が多くて貴重だなーと思いました。このメンバーを引き連れてこられたのが、流石の空読無さんの腕力です。

 

今回は無名戦・A-1の裏イベントとして機能していたようで、無名戦やA-1などの制限型イベントに出禁になった方々の参加が主でした。ただ、どうしてもイベントが3つも被ってしまうと全部を追いきれないところがあり、ゆるゆるBMSというイベントが無名戦・A-1に対して埋もれてしまったのがやや悲しいところですね。

 

現在のBMSシーンは無名戦・A-1が一番注目してもらえる一方、その2つのイベントに出禁になった中堅・古参作家は注目してもらえる場がほとんど無いので、「中堅・古参作家はどうすれば・・・?」という状況かと思われます。

そのため、今回のような出禁の方の受け皿となるイベントの注目度が高まると、私としてはとても嬉しいです・・・。

 

ということで、パッケージ配布からすっかり遅れてしまいましたが全曲紹介記事でした。興味のある方はぜひプレイしてみてくださいね。

sites.google.com

 

また、次回のゆるゆるBMSパッケージに参加したい方は、Twitterで「#ゆるゆるBMS」とタグをつけて参加したい旨の発言をすると良いらしいです(主催の空読無 白眼さん情報)。

 

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P.S.(達成報告と挨拶)

 

ゆるゆるBMSパッケージの動画化をもって、ついに、終わった・・・!

今年のBMSイベントのダイジェスト化が・・・!

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これで、アーカイブ動画を利用していつでも2020年のBMSイベントを振り返ることができるようになりました。お疲れ、お疲れ自分。今年はガンバッタ(´V`)

 

2020年が終わっても、「2020年のBMSシーンは特に熱かった」追想されると嬉しい限りです。作家・関係者の皆様におかれましても、1年間のBMSイベント参加、誠にお疲れ様でした。

それでは、来年も良いお年をお迎えください。

 

イベント閉幕記事の制作は、まだまだ時間をいただきます。