BMS Agency

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最近(2020年)のBMS界を気ままに追っかけます

過去の無名戦プレイバック(第12回 ~ 篇)【無名戦17直前スペシャル】

"未来のスター発掘イベント"

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◆ 過去の無名戦プレイバック (2015 -)

 

本記事は過去の無名戦プレイバック(第7回~第11回 篇)の続きです。

今回はより近年である2015年以降の無名戦を対象に調べました。

 

bms-agency.hateblo.jp

 

 

それでは、2015年以降の無名戦について見ていきましょう。

 

● 第12回無名戦(2015.06)

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ちょうど5年前の2015年開催の無名戦12。作品数は50

年々無名戦の規模はどんどん拡大し、今やBOFシリーズの次にインプレが集まる注目イベントとなりました。

その勢いは今回の無名戦にも顕著に表れ、歴代無名戦の最多インプレ数・最多平均インプレ数(53.26)を獲得するほどです。

かつては無名戦9の"I"が歴代最多インプレの90票でしたが、無名戦12では1(105票)2位(94票)の2作品が歴代インプレ数を上回る人気ぶりを獲得。

そんな無名戦12のTOP3は以下の通りです。

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1位はFuture Bass作家の先駆けmossariさん。次元の違う実力の高さは、無名戦6優勝のSWEEZさんを彷彿させるほどの「強くてニューゲーム」ぶりでした。その実力は強豪揃うBOFU2016で"表彰台の一歩手前"まで上り詰めるほどです。

2位はゲーム音楽に強いはがねさん。商業音ゲーへの進出だけではなく、Steamゲームへの楽曲提供も行っており、音ゲーに限らない広い活躍を見せております。

3位はクラブミュージックに定評のあるsukuramu42さん。楽曲はもちろん譜面も鉄壁の安定感があり、BMS作品のお手本ともいえる良作品を数々発表しました。

 

このように、TOP3は例年に比べ即戦力の大型新人が集結したイメージです。

 

TOP3以外の作家ピックアップは以下の通りです。

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TOP3以下もイベント優勝経験のある方が在籍しており、実力は申し分なく粒ぞろいな印象です。しかし、最近でもBMS作家として活動している方が他の代と比較してやや少ないというイメージがまとわりつきます。

その状況は無名戦対抗戦というイベントでも確認でき、無名戦12当時の盛り上がりに反して現在はやや存在感の欠ける代となってしまったのが惜しいところです。とはいえ現在でもBMS制作に熱心な方が在籍しているため、また新たな実績が生まれることに期待です。



 

 

 

● 第13回無名戦(2016.06)

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無名戦13は過去の無名戦から再度参加するという"無名戦留年組"が一人もおらず、近年では非常に珍しい代と言えます。(なお、無名戦5から飛んで13へ参加したわーらーさんは、ここでは留年組ではなく再入学組とみなします)

作品数は52

 

そんな無名戦13のTOP3は以下の通りです。

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1位はオシャレ系楽曲に強い早明浦キュウゾウ(Kyuzo Sameura)さん。

2016年に彗星のごとくデビューした新人作家でしたが、無名戦優勝という華やかなデビュー戦から勢いは衰えることを知りません。イベントの参加率が高いだけでなく常にイベント上位常連(一番最近ではPABAT!2020で2位)であり、4年経った今も前線で活躍する姿はまさしく現代の「スター作家」です。

2位はJ-core作家のyuki.さん。BMSでは大きな成果は上げていないものの、現在Soundcloudのフォロワーが1700人近くおり、進化を続けるCore系コンポーザーとして活躍しております。

3位はDegital-J-Popの申し子Sakamiyaさん。Sakamiyaさんも早明浦キュウゾウさんと同様に高いイベント参加率・上位安定率を誇っており、絶大な支持率を獲得しております。作風も広く、歌モノだけでなくクラブミュージックやネタBMSまで何でもござれの万能作家です。

 

無名戦13のTOP3は後のイベント勝者となる作家が2名もいるため、ここ5年の無名戦の中では最もBMS実績の多くなったTOP3とも言えるかもしれません。

 

TOP3以外の作家は以下の通りです。

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作家陣は比較的最近に活躍されている方が多く、その作風は多種多様です。例えばnonomoriさんは先々月のS9B2020準優勝する実力者で、歌モノコンポーザーとして鉄板の評価を獲得しています。
運営視点だと前述のS9B2020を主催した0310さんや、ちょうど現在開催中の「#ゆるゆるBMS」主催の空読無 白眼さんなど現在のBMSシーンを盛り上げるために奔走する次期リーダーも在籍しております。

総合的に見て、留年組0人という状況でも目立った実績を残す方が多い無名戦13は、スター発掘というテーマにふさわしい特別な代といえるかもしれません。

 

 

 

 

 

● 第14回無名戦(2017.06)

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現在では当たり前となった「無名戦・A-1の同時開催」が初めて行われた2017年。

当初は「無名戦 vs A-1 vs 老害連合」という3つのチームに分かれて得点を競うという特別企画でした。無名戦単体の作品数は68

 

なお、老害連合というチームに属するための条件は以下の通りです:

 

老害連合チーム参加条件(公式ページより引用)

BMS界隈に長く在籍し、(作者・プレイヤー問わず)BMS同窓会(仮)、もしくはそれ以前の界隈をリアルタイムで知っている
・直近2年間のイベントで成績が目立たない傾向にある(過去の実績は不問)
・ワカイメヲツミタイ

 

そんなこともあり、例年とは一風変わったおどろおどろしい雰囲気の中で行われた無名戦14。

TOP3は以下の通りです。 

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1位は稀代なファンタジー系作家のChicala Lpisさん。BMSではあまり見ない生音系コンポーザーです。クワイアを多用した威厳のある楽曲にもクラブミュージックにも強く、楽曲からは独特な情景の広がりが感じられます。

2位は無名戦13からの刺客、Trinityさん。BOFU2017以来BMS制作は行っていないようですが、現在はTranceコンポーザーとして質の高い曲を制作し続けています。

3位はハピコア専属作家のotoshi.bさん。2020年地点で作品数は4つと控えめなものの、その作品すべてがイベント上位10%作品に食い込むという爆発力があります。

 

TOP3以外の参加者の主な実績は以下の通りです。

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2020/07/16追記: れおんさんのWE LUV VGBMS優勝実績が抜け落ちていたため修正しました。申し訳ございません。

見ての通り、ちょうどここ数年で活躍されている作家陣が集結しております。
昨年のBOFXVでも活躍された方が多く、ちょうど今が一番脂が乗っている代という印象です。

イベント方面ではBoFoonXV2021年開催予定のChiptune限定イベントなどの主催を務めるNASAさんや、海外BMSコミュニティの重鎮AYhazさんなど、今後のBMSシーンにおけるキーマンとなりうる方も在籍しております。

非常に豊作な代ですが、今後さらに出世していく可能性も秘めているため、吉報が待たれます。

 

 

 

 

● 第15回無名戦(2018.06)

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昨年の無名戦・A-1同時開催が定例となった2018年以降。

無名戦は相変わらず盛況で、65作品が集結しました。

 

大きなニュースとしてはTRIALさんの"Hanky-Panky"が106インプレ獲得し、歴代最多インプレを更新。なお現在もこの記録が"歴代無名戦最多インプレ"となっております。

 

そんな無名戦15のTOP3は以下の通りです。

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1位は音ゲー映えする楽曲に定評のあるcorok-Bbさん。曲はもちろんのことBGAも自作とのことで、あまりのスペックにインプレ欄から唸る声が続出しました。両刀作家としての活動に期待がかかりましたが、G2R2018以降はしばらく沈黙が続いております。現在はBandcampSpotifyなど各種音楽配信サービスでも楽曲配信を行っている様子で、新曲を数多く聞くことができます。

2位はガバ専属作家のTRIALさん。無名戦参加前から知名度抜群であり、BMSイベントの集客力は抜群です。無名戦以降は実写系シュールBGAの効果も相まって、新しい扉を開けた模様。

3位はJ-core系作家のkooridoriさん。近年のBMSイベントでは上位常連の実力者であり、最近ではBMSに限らず様々な場所で楽曲提供を行っているようです。

 

TOP3以外の参加者の主な実績は以下の通りです。

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こちらも無名戦14に同じく、今が旬の作家が集結しております。

僅か2年の間ですが実績のある作家は多く、非常に心強いイメージです。特にイベント優勝者が早くも2名いることは、他の方々にも良い影響を与えていくことでしょう。
まだまだ活動熱心な作家が多いため、今後さらなる飛躍が期待されます。

今年のA-1 10th参加者も無名戦15出身の方が多いイメージなので、ぜひ頑張ってください。

 

 

 

 

● 第16回無名戦(2019.06)

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ちょうど1年前に行われた無名戦16です。作品数は例年よりやや少ない37作品。

 

わずか1年しか経っていないこともあり、実績について語るのはまだ早いと感じたため、詳細は割愛させて頂きます。

 

しかし、既に現在のイベントへの参加に積極的な方の存在も確認できたため、今後の大成に乞うご期待です!

 

 

 

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最後に無名戦7-16の平均インプレ数・平均I Know率の集計データを記載します。

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平均インプレ数は年によって増えたり減ったりしていますが、10年前の無名戦と比べると軒並み上昇した印象です。

また、平均I Know率は無名戦12以降で大幅に減少したこともあり、近年の無名戦はBMS新人戦としての役割が大きくなったことが感じられます。

 

 

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以上で無名戦特集を締めさせていただきます。

無名戦特集を通して、歴代無名戦参加者のすごさを実感できましたでしょうか?

ちょうど今が一番波に乗っている作家も数知れず、新人作家にとっては憧れの作家陣も多かったと思います。

そんな彼らもかつては無名戦参加者として、1からスタートをしていたんですね・・・

 

 

 

 

そんな歴史も長い、影響力の強い無名戦は今年も開催されます。

インプレ開始期間はなんと明日6/8(月)から。

今年も数多のnew comer発掘を楽しんでみませんか?

 

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