BMS Agency

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最近(2020年)のBMS界を気ままに追っかけます

“SPRING 9KEYS BLOSSOM 2020” -閉幕- [ #S9B2020 ]

春のPMSイベント
 

登録 : 2020年04月05日(日)~2020年04月12日(日)
評価:  2020年04月12日(日)~2020年05月03日(日)

主催 : 0310 a.k.a 0samil0

 

 

今年の春はPMSの春

2020年4月に開催された『SPRING 9KEYS BLOSSOM 2020』の振り返り記事です。

イベント終了から3ヵ月(!)経ってしまいましたが、記事として残しておきたかったのでイベント振り返り記事を作成しました。

 

 

◆ 作品ランキング

まず、本イベント作品のTOP5は以下の通りです。

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ということで、w_tre(Sobrem)さんの"Cybenko's Theorem"が優勝となりました。

SobremさんはPABAT!2020に引き続き優勝となり、2連覇達成です。

おめでとうございます!

 

 

"Cybenko's Theorem"は、かつてのPMSイベントで恒例だった定理シリーズの最新作品です。

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初出は2012年の"Schur's Theorem"で、当時学生だったw_treさんが線形代数の試験で赤点になった怒りをぶつけたことから生まれた作品でした。

しかしそんな定理シリーズは着々と好成績を収め、なんとシリーズ3作目で優勝。

最初こそ定理に対して怒るシリーズだったものの、最終的には定理をきっかけにイベント優勝を掴むことになったのですから、人生どう転ぶか分かりませんね…!

8年越しの優勝ということで、改めておめでとうございます。

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2位はnonomoriさんの""でした。

イベント評価期間の折り返し時点では20位/28作品中だったものの、後半で一気に追い上げを見せました。そしてイベント終了直前にとんでもないごぼう抜きを達成し、終結果2位へ君臨。すごい作品は何だかんだで最後にしっかり評価されるという、大変うれしい結果となりました。

そして今回、nonomoriさんは初となるBMSイベント準優勝を達成。元々総合順位よりもアベレージ順位の方が高くなりがちなアベレージ型の作家であったため、今回の高評価ぶりはむしろ、ようやく実力が正当に評価されたのではないか?と感慨深い気持ちになりました。

改めて、準優勝おめでとうございます。

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また、同着2位となったのはNego_tiatorさんの"Praesidium tridacnae"でした。

本イベント内でも数少ない「動画BGA」が同梱された作品ということもあり、その存在感はイベント内随一でした。曲・動画共に圧倒的な実力を見せつけ、これは優勝待ったなしか・・・?!と思われましたが、譜面に無理押しがあったことで評価に陰りが付いてしまったご様子。

本人も9Key譜面制作初挑戦だったこともあってやや不本意な結果でしたが、そんなハンデがありながらも準優勝という結果を残しました。それほどこの作品には惹き付けるパワーがあったのでしょう。

改めて、おめでとうございます。

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全作品の総合順位は以下の通りです。

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今回のイベントは1位の作品(33imp)とインプレ数最少(23imp)の作品でインプレ差がわずか10インプレであり、通常のBMSイベントと比較してインプレ格差が少なかったように思えます。

(※インプレ格差の定義はこちらの記事を参考にしました)

 

 

◆ 順位変動

イベントの評価期間内の順位変動は以下の通りです。

今回のイベントは投票できる点の範囲が狭かった(1~3pts)こともあり、たった1票で順位が大きく変動しがちでした。その結果、イベント終了までなかなか順位が確定せず、読めない結果となりました。

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そんな混戦の中でやはり注目すべきは、圧倒的王者"Cybenko's Theorem"の不動ぶりです。

PABAT!2020の順位変動もそうでしたが、w_treさんが優勝する際の順位変動は横一直線であり、強すぎるディフェンス力を感じさせられました。

また、最終日付近の""の伸びっぷりにも触れるべきでしょう。評価期間終了まではTOP10に入ることも無かったものの、終了2日前にTOP10の壁をぶち破り、あげく2位にまで上り詰めたその順位変動は、2020年BMSイベント内ごぼう抜き賞を達成するかもしれません。逆に、イベント終了直前までは2位の座を守り続けたキマグレ☆テキトウは最後に逆転を許して4位と、とても悔しい結果となりました。

他には、今回のイベントで最下位常連だった"Eagle Tears...(Off Vocal)"が終了直前に最下位を回避するファインプレーを魅せたり、今回最下位となってしまった"Tự sát"は実は序盤に蘭以上のごぼう抜きを達成して15位だったりと波乱が確認できました。

 

 

◆ インプレ状況

インプレの各種データは、公式のResultsページより引用させていただきました。

この場を借りて御礼申し上げます。

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〇 インプレイヤー一覧

インプレイヤーの一覧表は以下の通りです。

薄黄色ロングインプレが作品に関わっておりインプレ不可能な作品

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※No.1はイベント期間中に軍事訓練へ向かっていたSobremさんの代理登録としてSound piercerさんが登録したため、黒色となっています。

また公式集計によると、 Lollipopさんは2作品に関わっているようでしたが、どの作品に関わっているか分からなかったため上の表にはデータが反映されておりません。

 

本イベントのインプレ参加者は全42名。全曲インプレ者は18名

昨今のPMSイベントの状況(ほとんど開催されなかった)を踏まえると、これは極めて高水準な数値ではないかと考えられます。

 

全インプレ達成者は以下の通りです(敬称略)。

used_tami Akash Eltsopa portion sumomo 吟世かいな ion_tracker Khibine ctc kei_iwata Phleguratone Deadline Hater くるやのぶ mots 戒斗 CYLTIE. 0310 NASA

お疲れ様でした!(^-^)//""パチパチパチ~

今回は他のイベントと比較し、無名戦17参加者といった新規参入者の全曲インプレも多いように感じました。インプレの人口拡大はとても喜ばしいことなので、この調子でどんどんインプレする方が増えると嬉しい限りです。

 

 

〇 長文インプレイヤーと、その割合

さて昨今では1行インプレなるものが定着しており、その便利さから長文インプレを行う方が減少しているように思えます。そんなご時世でありながら1度でも長文インプレを投下した方は総勢14名。うち3名全曲インプレかつ長文インプレ率100%ロングインプレイヤーでした(kei_iwataさん・portionさん・主催の0310さん)。

作品それぞれの感想を文章で書くというのは想像以上に難易度が高く、骨の折れる業です。そんな中で長文インプレを送った方の労力を、決して忘れないでいたいですね。

改めてお疲れ様でした。

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こうして見ると、表の下半分の通り1Lineでほぼ全インプレ+長文投下作品の厳選というスタイルが割と人気かもしれませんね。

 

〇 各作品ごとの長文インプレ数・割合

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今回のイベントで最も長文インプレ率の高かった作品は、池田哲次さんの"Nowin"で30.43%でした。「Synth1のみで曲作り」という意欲作だったこともあり、音色についてついつい触れたくなるような作品だったのでしょう。

また、次に長文インプレ率の高かったのはnekomimi_STRawさん & C4さんの"Fall Mirage ((Fall))"で29.63%でした。レーンを広々と使ったド派手なギミック譜面は賛否両論だったため、こちらもまた多くの長文が寄せられました。


◆ S9B2020いろいろ

〇 全インプレした人が選ぶTOP5

全曲インプレを行った18名の評価のみでTOP5ランキング表を作成した結果、以下のようになりました。

(なお、作者陣も全曲インプレをしていたため、その差を消すためにアベレージで比較しました)

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同着多数で7作品がTOP5に入りました。

平均点カンストとなった作品が3つもあり、非常に興味深いです。

またHyparpax(dwarf)さんの作品が2作品ともランクインしていることから、その実力の高さが大きく評価されているように思えます。

あとは総じてTOP10圏内の作品であったため、総合順位は妥当な結果だったのではないでしょうか。

 

 

〇 これだけは気をつけたい、PMS作成の注意点

今回、PMSイベントが久々だったこともあり、PMS経験者と初心者の『譜面』で大きな差がついてしまったように思えます。今後またPMSイベントが開催される時のために、どの部分に気を付けると安全か記しておきます。

 

・無理押しチェッカーを使おう

いくつかの作品で、譜面が「無理押し」だったことを理由に減点されていました。

この配置はポプコンで手が届かない配置としてタブー扱いされています。

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↑無理押し

引用:冬のPMSイベント「WINTER 9KEYS SPARKLE 2015」 - PMS譜面の作り方

 

上の引用リンクより「簡易無理押しチェッカー」を使えば簡単に回避することができるので、よほど強い理由が無い限りは無理押し配置を避けましょう

 

 

・難易度表記は「(Toy Musical 3作品の難易度)-6」を目指そう

PMSの難易度表記はBMSよりもずっと広く、50段階となっております。

始めたばかりの人にとっては何が何だか・・・という感じで、難易度表記ミスが多かったのも今回のイベントの特徴でした。

ここで、PMS Database管理人のportionさんのインプレを確認してみましょう。

あと難易度について、実は ToyMusical3 と本家さんの難易度体系は違うというデストラップがありまして、
レベル40まではTM3のレベル+6前後が本家相当になるらしいです。

引用:【SPRING 9KEYS BLOSSOM 2020 詳細情報】 No.5 "The Hillside Terrace - 2020 Spring Edit - / mots "

なんと、Toy Musical 3を参考に難易度付けすると絶対に詐称譜面となるデストラップ(!)が存在するようです。Toy Musical 3を遊びつつ譜面難易度を決定された方は、難易度表記-6を意識されると良いかもしれません。

また、一般的な難易度表記(非発狂)は PMSデータベース(Lv1~45)を参考にしましょう。

他にも、portionさんは全作品にてPMS制作の参考になるインプレを残しているので、ぜひチェックして勉強してみましょう!

 

 

 

〇 歴代四季PMSイベントとの比較

四季PMSシリーズは2011年に始まり、今回で5回目となりました。

そこで歴代四季PMSシリーズとデータを比較してみましょう。

各イベントのデータを以下に示します。

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まず公式の総評でも触れられていた通り、イベント登録作品数は今回が一番少なかったようです。しかし、最後に開催された2015年との登録作品数の差が3作品のみであったことから、PMS作品そのものが大幅に減った現代としてはむしろキープした方だと思いました。

 

次に歴代イベントのインプレデータをグラフ化したものを示します。

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グラフからも分かる通り、今回のイベントの平均インプレ数は初代S9R2011に匹敵しており、ここ数年のPMSイベントの中では非常に大きな盛り上がりを見せたように思います(もしかしたら、Toy Musical 3の更新と時期が近かった影響もあったのかも・・・?)。

 

今回のS9B2020は今後のPMSシーンの盛り上がりを期待させる、貴重な第一歩となったのではないでしょうか。もしかしたら四季PMSシリーズは来年夏も開催されるかも…!?ということで、今のうちにPMSの練習をしておきましょう!

 

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以上、5年ぶりのPMSイベントはいかがだったでしょうか。

」を題材としたイベントでしたが、そのテーマ通りにPMS界の春を感じさせる素敵なイベントだったと感じます。

 

 

また、振り返り記事の投稿時期が春を通り過ぎて夏になってしまい申し訳ないです。

公式の総評ページが非常に充実していたことに感動してしまい、「少しぐらい遅れても、公式の最強総評があるから良いだろう・・・」と安心していたら、いつの間にか夏になってました。。。合掌

 

 

今回のイベントについて私が思った点は公式の総評と大方同じだったので、本記事では公式総評と被らないような情報を優先して紹介させて頂きました。何度も言いますが、公式の結果発表・インプレランキング総評ページは本当に素晴らしいので、ぜひご一読ください。端々から熱意が感じられ、読んでいて非常に楽しかったです。

 

 

最後に主催の0310さん、また参加者・インプレイヤーの皆様お疲れ様でした。

今後のPMS界も盛り上がりますように・・・

 

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2020/07/22 初稿作成(図・データのみ)

2020/08/15 記事完成