歴代のA-1 ClimaXシリーズで最も好評だった作品は何か?【 #A1_10th 開催直前スペシャル2】
2020/05/24 A-1 3rdの集計データに誤りがあったため、ランキング・全順位表に修正を加えました。失礼しましたm(__)m
無名戦・A-1開催まで残り約一週間・・・
先日作成した歴代A-1 Not Air率ランキングの記事が好評だったため、今回もまた歴代A-1特集ランキングを作成しました。
A-1とはどんなイベントか?などの説明は上の記事で行ったので割愛します。
◆ 本記事での集計方法
まず始めに、集計方法について説明します。
こちらのグラフを見てください。
このグラフは歴代A-1ごとの総インプレ数・平均インプレ数を表しています。
見ての通りイベントごとにインプレ数が変動しているので、総得点数ごとに比べるだけでは不平等な集計結果となってしまいます。また、年によってNot Airボーナスがあったりなかったり、初代A-1は3点満点だったりするので、その分も加味しなければなりません。
そこで本記事では「偏差値」をランキングの指標としました。
データを求める手順は以下の通りです。
(1)各作品の最終得点(Not Airボーナス含む)からそのイベント内の最終得点偏差値を求める
(2)各作品の平均値からそのイベント内のアベレージ偏差値を求める
(3) 最終得点偏差値とアベレージ偏差値の平均値を利用してランキングを作成する
こうすることで、イベントごとの差を考えずに比較することができます(たぶん…)。
あくまで参考値に過ぎないのですが、意外と当てになると思います(mihoclapのこの記事を参考に作成)
例として、初代A-1 ClimaXの順位表から偏差値を割り出した結果を示します。
このように一番右の数値を各イベントごとに割り出し、この数値をもとに歴代A-1ランキングを作成しました。
今回は初代A-1から昨年のA-1 9thまで、合計206作品を対象としました。
以下よりランキングTOP10の紹介です。
◆ 歴代作品の総合ランキング TOP10
イベント内平均→そのイベントの全作品の平均インプレ数・平均点を指します
〇10位:65.96 [A-1 初代 (2008年)]
総インプレ数:52 (イベント内平均36.59)
平均点:2.17 / 3点満点 (イベント内平均1.42)
総得点推定データ:69.30(歴代10位)
平均値推定データ:65.96(歴代14位)
(試聴はロング版)
10位はstereoberryさんの"遠い星のライカ"でした。
BMSとしては珍しいAlternative Rockを武器にして『泣き』を前面に出した楽曲です。
BGAが一枚絵すら無く真っ黒というハンデがありながらも、初代A-1では優勝、歴代A-1内で10位という圧倒的実力を発揮しました。
数値だけ見ると平均点が低いように感じますが、A-1初代内ではアベレージ2位を達成しています。イベントが2008年のものなので、当時のインプレの全体的な厳しさが感じられて面白いです。
なお初代A-1は2008年であり、stereoberryさんは10年近くBMSを作っておりませんでしたが、今年夏のWORLD WAR(戦國)にエイリアン軍として参戦予定なので期待しておきましょう。
〇 9位:66.15 [A-1 3rd (2012年)]
総インプレ数:49 (イベント内平均28.48)
平均点:4.59 / 5点満点 (イベント内平均4.03)
総得点推定データ:72.62(歴代5位)
平均値推定データ:59.67(歴代35位)
9位はanubasu-anubasuさんの"Dancing Dirty Monster"でした。
こちらはワブルベースが暴れるMOOMBAHCOREです。
曲や譜面ソフランの雰囲気がcybermisoさん作の"ZOOQUU"あたりに強く影響を受けており、インプレでは「さばみそさんらしさは感じられたが、もっと独自路線が欲しい」と指摘を受けて平均値が低下しました。
しかし総合的に質が高かったこともあり、個性派あふれる魔のA-1 3rdで優勝という実力を発揮。
もともとシンセの音作りにめっぽう強かったこともあり、2020年現在でもクラブミュージック作家(特にHardstyle?)としてBMS外で活躍されているようです。
〇 8位:66.36 [A-1 3rd (2012年)]
総インプレ数:40 (イベント内平均28.48)
平均点:4.95 / 5点満点 (イベント内平均4.03)
総得点推定データ:66.79(歴代15位)
平均値推定データ:65.58(歴代4位)
8位はGREEDY GROOVE(syzfonics)さんの"Restless Extent"でした。
歴代Not Air率ランキングのTOP10にも登場してましたが、やはり強いですね。
A-1 3rd 3位・平均点優勝作品。詳細はNot Air率ランキングに書いたので割愛。
〇 7位:66.41 [A-1 7th (2017年)]
総インプレ数:54 (イベント内平均34.26)
平均点:4.68 / 5点満点 (イベント内平均4.05)
総得点推定データ:73.08(歴代3位)
平均値推定データ:59.74(歴代32位)
7位はSakamiya feat.遊左 未ユニットによる"Farvel hostvind"です。
最近のBOFシリーズを追っている方ならお馴染みSakamiyaさんのDigital J-POPシリーズで、安定した実力を発揮しA-1 7th優勝となりました。
平均点でやや苦戦するも、総得点では歴代3位という驚異的な結果に。
これは当時SakamiyaさんがBMSイベントの大小を問わず積極的に参加していた影響もあると考えられます。言うならば、イベント積極参加によってコツコツと実力・知名度を積み上げていった努力の賜物の結果でしょう。
こういった姿勢は今後のA-1参加者も胸に刻んでおきたいところですね。
〇 6位:67.25 [A-1 3rd (2012年)]
総インプレ数:46 (イベント内平均28.48)
平均点:4.78 / 5点満点 (イベント内平均4.03)
総得点推定データ:71.56(歴代7位)
平均値推定データ:62.94(歴代12位)
6位はtakdriveさんの"PTH"です。歴代Not Air率ランキング1位がついに登場しました。
A-1 3rdではanubasu-anubasuさんに敗れイベント内2位だったものの、総得点・平均点を加味するとこちらが上位となった模様。
作品の詳細はNot Air率ランキングに書いたので割愛。
〇 5位:67.32 [A-1 2nd (2011年)]
総インプレ数:52 (イベント内平均39.17)
平均点:4.59 / 5点満点 (イベント内平均3.83)
総得点推定データ:72.62(歴代6位)
平均値推定データ:62.03(歴代20位)
5位は先日のS9B2020にも参加していたdaisanさんの"豊穣の都 プロウシア"です。
泣きの民謡アートコアでメロディが非常に高評価となり、A-1 2nd優勝となりました。
インプレでは「ドラムの音源が安っぽい」と総ツッコミを受けて平均点に影響してしまいましたが、それらを覆すほどのメロディ力であったため歴代でも総合5位にランクイン。
強みを存分に生かすことで総合的に高い評価を得る姿勢は、この作品から学んでいきたいところです。
〇 4位:69.37 [A-1 5th (2014年)]
総インプレ数:23 (イベント内平均16.93)
平均点:4.78 / 5点満点 (イベント内平均3.82)
総得点推定データ:70.52(歴代8位)
平均値推定データ:68.21(歴代1位)
4位はkyotn(ニシジマユーキ)さんの"Innocent Snows(Radio edit)"でした。
ジャンルがcoldsleepということで音色に冷たさを感じさせるトランスとなってます。
製作期間が短くBGAもついていないのですが、曲の力で歴代4位まで上り詰める実力派作品でした。
クオリティが高くA-1 5thでは優勝、歴代A-1のアベレージ部門優勝となりましたが、埋もれがちな「トランス」ということもあってNot Air率は47.826%と大苦戦。実力は申し分ないものの個性が要求される結果となりました。
トランスで空気卒業って難しいですね。
さて、もはやイベント優勝作品ばかりとなってきましたが、いよいよTOP3です。
〇 3位:69.59 [A-1 9th (2019年)]
総インプレ数:71(イベント内平均53.08)
平均点:4.85 / 5点満点 (イベント内平均3.91)
総得点推定データ:73.47(歴代2位)
平均値推定データ:65.72(歴代5位)
過去から巡り巡って、3位には2019年の最新作品がランクインしました。
SOMONさんの"-零-"です。ジャンルはOriginということで、なかなか言葉で表すのは難しいジャンルでした(トランス・・・?)。
曲・BGAの調和が素晴らしく、美しいピアノと終盤の盛り上がりは圧巻です。
全力投球された作品ということもあり、イベント内では高い評価を獲得してA-1 9th優勝となりました。
Not Air率は69%と空気卒業にはやや足りなかったものの、曲動画共に実力は申し分なく、また現在も活動されている作家ということもあるため今後のご活躍が期待されます。
〇 2位:69.86 [A-1 6th (2016年)]
総インプレ数:37(イベント内平均26.32)
平均点:4.84 / 5点満点 (イベント内平均3.82)
総得点推定データ:73.07(歴代4位)
平均値推定データ:66.64(歴代2位)
2位はLimstellaさんの"Journey into the Unicorn Forest"でした。
ジャンルはNOSTALGIA、曲調はファンタジー系ロックです。
メロディ・音色共に申し分ない質の高さを持っており、まるで魔法の使える世界に迷い込んでしまったかのごとく浸ることのできる楽曲です。
イベント内でも非常に高い評価を受け、A-1 6th 優勝、歴代A-1アベレージ2位を獲得。
近年では音ゲーアプリDynamixに楽曲提供を行っていることが確認でき、BMS外でも高い評価を受けているようです。
[Event]
— Dynamix Official (@c4c4cat) May 6, 2020
今週の金曜日は復刻曲「Holy Lightbringer」が帰ってくるよ!
開催期間は5月8日13時から5月12日21時(UTC+9)まで!@forblaze#Dynamix pic.twitter.com/jR0Ojw1ghH
さて、集計時歴代1位の作品は一体何でしょうか・・・?
・・・
???「光れ!って言葉が 僕を動かすんだ」
〇 1位:73.27 [A-1 8th (2018年)]
総インプレ数:84(イベント内平均38.27)
平均点:4.94 / 5点満点 (イベント内平均3.93)
総得点推定データ:80.58(歴代1位)
平均値推定データ:65.96(歴代3位)
ということでA-1歴代1位は2018年発表、qfeileadhさんの"スピカ"でした。おめでとうございます!
集計データもTOP10内の各作品から大きく引き離し、唯一70台に乗るという頭一つ抜きんでた結果を残しました。
それもそのはず、この作品は歴代のA-1の結果をひっくり返してしまうほどに気合の入った作品だったからです。
質の高いオケだけでなく、「アニメのオープニングか・・・?」と思ってしまうプロ仕様のボーカルやアニメ風BGA。
まさに空気作家卒業に相応しい作品でした。
Not Air率が77.38%で惜しくも空気作家卒業とはなりませんでしたが、qfeileadhさんは2019年にBOFXVにて15位 / 361作品、2020年はPABAT!2020で3位 / 57作品と快進撃を続けており、もはや空気作家とは程遠い位置に属しております。ですので、この「スピカ」を1つのきっかけとして実質空気作家卒業となったのでしょう。
今後この大記録が抜かれることはあるのでしょうか・・・?とTOP10の顔ぶれをみて若干不安になりましたが、その辺りは未来の作家に託しましょう。
以上でTOP10の紹介は終了です。ここまで読んでくださりありがとうございました。
◆ 歴代A-1作品ランキング 全順位
TOP10以外は次のようになっています。
ちなみにこのランキング表では総合偏差値の中央値は"49.58"
ニアピンで以下の3作品がA-1賞となりました。おめでとうございます!
・Dance of spider in silk - asahi33 (A-1 6th)
・ドキドキ☆ココロ☆フレーバー(Lemon beads Hands-Up bootleg) -BMS Edit- - remixed by Lemon beads (A-1 6th)
・Erimika - nmk (A-1 2nd)
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つい先日、今年のA-1の参加表明者が30名を超えたようです。
もしかしたら今年は歴代最高登録作品数のA-1 2nd(35作品)に並ぶかもしれません。
早い人は既に試聴用の音源をアップロードを始めており、イベント開始の直前が感じられます。楽しみですね。